ポップスらしさを表現する奏法の中でも、最上級の演奏効果をもたらすものの一つであろうこの16ビートパラディドル奏法。
今回はそんなポップスの花形である16ビートパラディドル奏法を徹底解剖します!この記事を読めば16ビートパラディドル奏法の仕組み、アレンジの仕方、弾き方・練習の仕方までが一挙にわかるようになります!
16ビートパラディドル奏法とは?
まず「16ビートパラディドル奏法ってどんな奏法なの?聴いたことないんだけど」という方も多いと思われるのでひとまず実際に見てみましょう。
カッコいい奏法ですよね!16ビートの疾走感と流れるような細かい音。全体としてリズムの重さはなく、ドラムのハイハットが作るビートを思わせる軽快さがあります。
非常に魅力的な奏法ですが、2020年現在においてこの奏法は全くと言っていいほど普及しておらず、それどころかこの奏法を理解して使いこなしている人は目下のところ数人しかいないという状況です。
私ずっしーはそんな状況を打破すべくこの記事を書いているのです。この究極に魅力的な奏法をもっと多くの人に知ってもらい、弾いてもらい、ポップス演奏のスタンダードの一つとして定着させたい!
そんな思いを胸に、圧倒的にわかりやすくこの奏法をかみ砕いて解説することを試みます。ぜひついてきてください。
16ビートパラディドル奏法を習得する上で問題なのはその実例があまりに少ないことでしょう。この奏法を学ぼうにもやっている人が数人しかいないのだからなかなかその技術を盗む機会もないわけです。
というかその数人って誰?って話ですが、ここでこの16ビートパラディドル奏法におけるキーパーソンを紹介しておかなくてはなりません。
それはこの奏法の事実上の生みの親であるピアニストのござ氏です。
氏はなんと10年以上も前からこの16ビートパラディドル奏法を使いこなしていたのです。(にもかかわらずこの絶望的な普及率…!!悲しみっ…!!)
そんな事情なのでこの奏法の実例をたくさん見たいという人は彼の演奏を参照するのがおすすめです。本家によるこの奏法のお手本となる演奏が聴けることでしょう。
余談ですが、ござ氏はこの奏法をどのようにして発想するに至ったかについて「作曲家のニコライ・カプースチンからヒントを得た」という趣旨の発言をしていた記憶があります[要出典]。
とはいえ、実際のところカプースチンの作品に見られるような奏法がそのままこのポップスにおける16ビートパラディドル奏法と同じ性質のものとは言えない節があります[要出典]。
カプースチンの技法から得た閃きをポップスの奏法へと昇華し、一つのリズム表現方法として独立した体系・枠組みを構築するに至った[要出典]ことの価値を考慮すれば、ござ氏を16ビートパラディドル奏法の生みの親と断定して差し支えないでしょう。
またこのオリジナリティあふれる奏法をせっかくなので生みの親であるござ氏の名前を冠した通称・俗称のようなものを普及させたいと思い、以下のように名付けさせていただきたく・・・
“Goza-Alternate”
(ござオルタネイト)
イエイ!カッコいい!クールな響きだぜ!これで海外の人にもきっと使ってもらえるはず!※ちなみに本人に許可取得済みです
というわけで皆さんぜひ、このGoza-Alternate奏法を積極的に使っていただきたく思います。使用例はこんな感じになります↓
「サビは“ござオルタネイト”でアレンジしてみたよ~」
「この部分“GA奏法”が異彩を放ってるね!」
「“G-A” style is the coolest thing ever!! G-A!! G-A!!」
奏法の難易度は?
Goza-Alternate奏法もとい16ビートパラディドル奏法の歴史を軽く知ってもらったところで、さっそく実践的な話に入っていきましょう。
まずは難易度。この奏法の全体としての難易度をずっしーによる独断と偏見で判定した結果、星4つ「★★★★☆」です。
難しいポイントとしては「全体的に速い」「ノリをつかむ」「リズムのための強弱表現」「奏法の捉え方」「片手でのパート弾き分け」あたりでしょう。詳しく見ていきましょう。
①全体的に速い
これは見ての通りで、16ビートの疾走感がキーとなる奏法なので何かと速く指を動かす必要があります。シンプルに忙しいという理由でミスしやすく精度も落ちやすいです。
②ノリをつかむ
16ビートのリズムには多彩なバリエーションがあります。アクセントの位置や刻み方のパターン、それらをまずは体で感じられるようになることが第一です。ピアノに向かう前に純粋なリズムそのものを体得している必要があります。
③リズムのための強弱表現
この奏法のパラパラ感は16ビートの細かいリズムをさりげなく、だが確かに存在感をもつように入れ込むことによって成立します。そのために必要なのが強弱の制御です。とりわけ左手が重要で、メインのメロディや強いアクセントの前後に的確な打鍵を繰り出さねばならない難しさがあります。
④奏法の捉え方
一般的な「右手のメロディ+左手の伴奏」という図式ではとらえられないというところ(これについては後ほど詳しく解説します)。そもそも練習を始める前段階での奏法を理解すること・仕組みを認識することへの難しさがあります。
⑤片手でのパート弾き分け
通常ピアノでは右手と左手それぞれに1パートという場合が多いですが、片方の手の中でさらにパート分割して弾き分けるというシーンも出てきます。今回の奏法では簡易的ではあるものの右手にパート分割を必要とする場面が時折出現するため、その分脳内の処理能力が多く必要になるという難しさがあります。
以上の特徴から、ある程度ピアノに慣れている人向けと言えるでしょう。しかし逆に他の奏法に比べて易しい面というのもあるのです。
一見するとこの16ビートパラディドル奏法、右手と左手が複雑に入り混じっていて弾くのが難しそうに見えますが、実はほとんど両手同時に弾いているところがないのです。言うなれば「猫ふんじゃった状態」です。どういうことか?
「猫ふんじゃった」はピアノを1ミリも弾いたことのない初心者でもその日のうちに弾ける超絶簡単曲ですが、それは両手で違う動きをする難しさが全くないからですよね。両手を交互に使っているだけで実は常に片手ずつしか機動していない。
これと似たような原理が16ビートパラディドル奏法にも言えるのです。左右がそれぞれ違う動きをしているように見えて、実は両手で一つのパートを作り上げている。
この一点のみに関して言えば16ビートパラディドル奏法は簡単な奏法なのです。左右を独立させて複雑な動きをするという他のほとんどの奏法で必要となる試練を乗り越えなくてよいのですから。
もちろん「猫ふんじゃった」ほど簡単というわけではありませんがひとたび両手セットで動きを覚えてしまえば意外と見掛け倒し、かもしれませんよ。
さてこの後は16ビートパラディドル奏法の実践的な組み立て方、練習の仕方を見ていきましょう!
16ビートパラディドル奏法の作り方・考え方
コメントを残す