16ビートパラディドル奏法の作り方・考え方

前回で16ビートパラディドル奏法の概要を掴んでいただいたところでここからはより具体的な話に入っていきましょう。どのように奏法を組み立てるか、その考え方を徹底解剖します!

16ビートパラディドル奏法が使える時とは?

まずこの16ビートパラディドル奏法、どういう曲調のときに使うと効果的なのか?さすがになんでもかんでもこの奏法を当てはめて上手くマッチするということはありません。

では一体どういう場面で適用するといい感じにかっこよく仕上げることができるのか。ポイントは大きく「テンポ」「メロディの動き」、この2つです。

テンポ

まず16ビートのパラパラ感が上手くサウンドとして機能するためにはある程度速いテンポが必要です。

個人的な感覚ではテンポとして少なくともBPM120。それ以上の速度であれば、速すぎて技術的に弾けないわけでもない限りはサウンドとしては成立します。

▶BPM140の例

遅すぎるテンポではどうなるかというと16分音符の刻みが明確に浮き出て聴こえてしまい、この奏法本来の「裏方で鳴るさりげなさ」が損なわれてしまうのです。

▶BPM80の例

メロディの動き

メロディの動きは非常に重要なポイントです。どんな動きのメロディが望ましいかを一言でいうと「穏やかな動き」です。

穏やかな動きのメロディとは何か、それはメロディのリズムがあまり刻みすぎていないこと

このように同じ四拍子の曲でも、メロディの動きによって16ビートパラディドル奏法の適用のしやすさが変わってきます。

この奏法では「メロディが鳴っていないタイミングに左手の音を入れて隙間を埋めていく」という考え方が基本になります。なのでメロディ内の音同士が適度に離れていると、その間に左手のパラパラを入れやすくなるのです。

反対にメロディ内の音同士が密になっていると左手を入れるスペースが少なく、パラパラ挿入をやりづらくなるのです。(もちろん不可能というわけではありません)

以上をまとめると16ビートパラディドル奏法が映える曲調は「テンポが速く疾走感がありながら、メロディは細かくなく雄大な動き」といえます。

メロディが先、伴奏は後

16ビートパラディドル奏法にはその根本的な捉え方に特徴があり、それを大前提として知っておく必要があります。

一般的な奏法の場合、多くは「右手のメロディ+左手の伴奏」という図式でとらえますよね。しかし16ビートパラディドル奏法はそうではなく、右手と左手をセットにして一つの奏法を作り上げているのです。

前回の記事で「この奏法は左右がそれぞれ違うパートを複雑に弾いているように見えて実は両手で一つのパートを作っているだけなので弾くのはある意味易しい」という話をしましたね。

とはいえ、弾くのは簡単でもこの奏法の特徴的なしくみを理解すること自体は初めての人にとっては一つのハードルであることは間違いないでしょう。

ではどのように両手を上手く掛け合わせた奏法を作ればよいのか。その答えは「メロディが先、伴奏は後」です。

アレンジを作る際、どうあがいても動かしようのない要素が「メロディ」ですよね。これを大幅に変えてしまったらそれはもはや別の曲になってしまいますから。

ということでアレンジにおいてまず絶対条件となるのがメロディ、すなわちこの時点で右手の動きがある程度固定されます

その上で左手をどう入れるかが問題になってきますね。左手はなんと右手のメロディに応じて形を変えながら組み立てていくのです。

16ビートパラディドル奏法の左手は通常の伴奏のようにすでに決まった形で固定されているわけではなく、メロディに対して変化する流動的な性質をもっているというわけです。

全体の流れをまとめると「まず動かしようのないメロディから始め、その形に対して臨機応変に左手を確定していく」となります。

「左手は流動的」といっても完全にその場で動きを決めているわけではなく、メロディのリズムパターンに対応したテンプレートとなる左手の入れ方が存在します。

それを知り何度も弾いてリズムごと体に染み込ませていけば、次第にメロディに合う左手の動きを瞬時に繰り出すことができるようになるのです。

このメロディの種類ごとの左手のパターン集はnoteの実践講座にて解説していますので、ぜひご活用ください!

メロディがスカスカなときは「右手のちょっかい」

先ほど「穏やかな動きのメロディだと適用しやすい」という話をしましたね。メロディが動きすぎると左手が入れづらいという話。

では逆にメロディが穏やか過ぎる、ロングトーンなどでメロディの刻みが少なすぎてスカスカだった場合はどうなるのでしょう?実際これはこれで厄介な問題が生じます。

左手が入れやすい状況というのは適度にメロディ内の音が付かず離れずという配置になっていることです。メロディが「密」すぎるのも困りますが「疎」すぎても大変です。

メロディが過剰に「疎」だった場合、左手はメロディの合間に入れるということができなくなり、実質その間左手だけでパラパラと間を持たせなくてはならなくなるのです。

 

これは見るからに左手の負担が非常に大きそうですよね。技術的、体力的にコスパがいいとは言えません。出来ることなら避けたい事態です。

そしてその解決策はきちんと存在します。それは右手の力を借りてくることなのです。

 

このようにメロディが空きすぎている区間で、上手く右手の親指や人差し指などをリズム的な役割で登場させる。

するとどうでしょう、見事に左手の負担軽減、さらには全体のサウンドのバランスが取れた響きになるという効果までついてきます。

これは言うなればメロディと伴奏のパートが指単位で担当分けをしていると言えます。

この左右の手の役割分担の変化を状況に応じて取り入れるテクニックは、16ビートパラディドル奏法以外の奏法でも非常に役に立つものなのでぜひ覚えておきましょう。

またこの右手の指を借りてくるというテクニックを使うことを考えると、メロディはオクターブで弾く方がよさそうだということに気づきます。

もちろんオクターブでなくとも右手の左側の方の指でリズム補助は全然できますが、注意しなければならないことはメロディの音とリズム用の親指の音が近くなりすぎることなのです。

なぜかというと、リズム用の指の音がメロディと区別がつかなくなりメロディがごちゃっとした印象になってしまう恐れがあるからなのです。

よってオクターブ離れている状態がベスト、オクターブならばメロディの音程とリズム用の指が十分離れているので、メロディが上下に大きく動いても両者は常にくっきり分かれてくれるのです。

さてここまでわかったらいよいよ実践です。16ビートパラディドル奏法の弾き方、練習方法を見ていきましょう!

16ビートパラディドル奏法の弾き方・練習方法

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