今回が移動ド唱法による音感の鍛え方の最終章です。
前回までで移動ド唱法の全体像はつかめてもらえたかと思います。今回はより実践的なフレーズの覚え方、とっかかりのコツなどを紹介していきます。
インプットとアウトプット
音感トレーニングに限らず世の中のスキルのトレーニングにはたいてい「インプット」と「アウトプット」の二つがあります。まずはこの二つの違いを認識できるようになりましょう。
取り組むトレーニングがどういうものでどういう効果があるかということをきちんと把握することで、闇雲にやるよりも確実に成長できるし、なにより成長したという実感も伴います。
インプットとアウトプットの違い
インプットとアウトプットの違いというのはいったい何なのか。
それは「新しい知識や考えを頭に詰め込んでいく」というのがインプット、「詰め込んだものを正確に頭の中から引っ張り出す」のがアウトプットということです。
前回までに何度も言っていた「メロディをひたすらドレミで歌う」というのは「メロディと階名を結びつける」という、新しい考えを頭に入れて覚えていくという作業なので、インプットのトレーニングだったというわけです。
乱暴なことを言えばこのインプットだけをひたすらやっていけばきっとある程度成長はします。でもちゃんと考えるならば、アウトプットも鍛えることでより早く、より確かに能力が向上していきます。
というより結局はこのアウトプットこそが耳コピやアレンジをするのに必要な実用的音感スキルなのです。
さて、実はアウトプットには2種類の方向があります。
一つは「音を聴いて階名を引っ張り出す」というもの。
もう一つは逆に「階名を見て音を引っ張り出す」というものです。
「音→階名」のアウトプットは、メロディを聴いてそれを判別して弾くいわゆる「耳コピ」のスキルそのものです。
「階名→音」のアウトプットは、頭の中で自由に思い通りの音をイメージする能力なので「アレンジ」や「即興演奏」に役立つスキルです。
あらゆるメロディ・フレーズでこの2つの方向のアウトプットがスラスラできるようになれば耳コピもアレンジも自在にできるようになるというわけです。
まとめると、まずは空っぽだった頭に「音と階名」を結び付けた記憶を作り(インプット)、その後「音→階名」「階名→音」の両方向のアウトプットをできるようにする。
ここ本当に大事なポイントです。これを強く意識しながら次に進みましょう。
アウトプットの具体的なやり方
アウトプットのトレーニングの具体的な方法はおそらくいくらでも考えられますが、とりあえずずっしーがやっていた方法をいくつか紹介してみます。
★「音→階名」の方向のトレーニング方法
・インプット済みのメロディを階名にしてみる
インプットしたフレーズを引き出せるかどうかの確認。復習みたいな感じ。例えば「ハッピバ~スデ~トゥ~ユ~♪」というメロディを階名で歌えるか確かめる(ソッソラ~ソ~ド~シ~♪)
・新しいメロディを階名にしてみる
未知のメロディでアウトプットできるかどうかの練習。インプットの量が増えてくるとそのうち知らないメロディでも一発で当てることができ始める。これができたときはかなり嬉しい。
・目をつぶって鍵盤を適当に鳴らして音当て
何らかの調を頭にセットした後にランダムで音を鳴らして音当てをする。自分でやると位置で音の予想がついてしまったりするので、誰かにやってもらうなどの工夫をしてもよい。
★「階名→音」の方向のトレーニング方法
・ランダムに階名を見て歌ってみる
例えば紙に階名でフレーズなりを書いておいて、適当に引いてそのメロディを歌ってみる
・メロディを鍵盤で弾くときに鳴らす前に歌う
適当に何かのメロディや即興的に鍵盤を鳴らす、その際に押す前にその音がちゃんと頭の中で鳴っているかどうかを確かめる
いずれもずっしーは効果がありましたが、自分に合ったやり方をぜひ皆さんは色々試してみてください。
アウトプットのトレーニングに徹底的に取り組みたい方へ
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ゲームで音感を鍛える「ずっしーの音感トレーニング」まずは単音から
さてここからは実際に具体的にフレーズを扱っていく話を進めていきましょう。前記事で言った「しらみつぶしトレーニング」のことです。
メロディはただの単音の羅列ではなくフレーズというかたまりが複数組み合わさってできているということは前回お話しましたね。
その種類は2音のフレーズ、3音のフレーズ、4音の・・・と続いていくわけですが、何はともあれ最初は一番シンプルな単音を判別できるようになるというところから始めていきましょう。
先ほどの「インプットして覚えた後二つの方向からアウトプットする」というのをまずは単音から出来るようになろうということです。
単音がわかれば基準ができる
スケールにある単音は基本的に「ドレミファソラシ」の7つしかありません。この7つをしっかり二つの方向でアウトプットできるようになるというのをまず目指しましょう。つまり、
「音を聞けばドとかミとかの階名がわかる」
「ファとかソとか言われればその音が思い浮かぶ」
という状態になればよいということです。
これができるようになるとその先がかなり楽になります。
というのも、例えばたまたま耳にしたメロディや思いついたメロディがあったとして手元に鍵盤がなくてもそのドレミの階名をたどることができるようになるからです。
音感がない最初のうちは右も左もわからないというような状態なので、何もかも鍵盤で実際に鳴らしてみて確かめないと答えがわからないということに悩まされます。
頭の中でイメージした音がほんとに「ミ」なのかな?「レ」なのかな?と思ってもそれを確かめる術がありません。
でも単音がわかるようになれば、例えば電車の中とか何かの待ち時間など暇なときに頭の中だけでも音感トレーニングができるようになります。
お店などのBGMで聞こえてきたメロディの階名を当ててみたり、鼻歌のように適当に浮かんだりふと思い出したメロディを階名にしてみたりなど、実際に最初の頃ずっしーはそういった時間の有効活用をしていました。
鍵盤なしに頭の中だけで音を追えるようになるというのはそれだけでかなりのアドバンテージになります。
そんなわけで単音を制覇すれば頭の中に確かな基準ができあがりその後のトレーニングの幅が広がる上に、スピードも格段に上がっていくのです。
意外と難しい単音
とはいえ、実は単音を判別するというのは思ったより簡単ではありません。たった7つの音なのにと思うかもしれませんが実際にやってみるとその難しさがわかるはずです。
意外に思うかもしれませんが、実は単音よりも複数の音が連なったメロディやフレーズの方が判別しやすいのです。
調というのは音と音の繋がりや変化があって初めて生まれるもの、という話は以前の記事で解説したと思います。
つまり調を基準にした階名も、単音ではその性格がはっきりさせづらく、音の高低に変化があった方が調性を感じ取りやすいということが言えます。
ずっしーは今でこそ単音を苦も無く聞き分けられますが、最初の頃は苦戦していました。
色々なフレーズを頭に叩き込んでいるうちに気づいたら単音の見分けが確実にできるようになっていたという気がします。
実は単音の判別というのはいくつものフレーズの記憶から結果的に単音を特定しているように感じているだけなのかもしれません。
そもそも私たち人間はフレーズやメロディというものに対して異常と言えるほどの能力を発揮しています。
全く音楽や調のしくみについて意識することなく歌を歌うことができ、たやすく膨大な数のメロディを長期間にわたって記憶していられます。
「何を大げさに、当たり前じゃないか」と思うかもしれませんがよくよく考えればこれはめちゃくちゃすごい能力です。人類皆天才といっても過言ではありません。
そしてなんと人間全員に標準装備されたこの素晴らしい能力を使うことで、単音の判別が難しいという問題を解決することができるのです。
それは「フレーズを使って単音を判別する」という方法です。
フレーズを使った判別方法
メロディのわかりやすさを使って単音を判別するとは一体どういうことか。
それはつまり、例えばソを判別したかったらソから始まるフレーズを絡めて単音を認識してみるということです。
実際に具体例でみていきましょう。
まずは「階名→音」の方向でやってみましょうか。おそらく初心者の段階だと「ソの音を思い浮かべて」と言われたところでどんなに時間をかけてもできません、という状態だと思います。
とっかかりが一つも無いのですから当然です。途方に暮れるとはこのことですね。
(※もちろん階名のソを何らかの調の上でという意味ですよ、音感トレーニングをやるときは絶対頭の中に調をセットしてからです)
わからなくなった人は前回を読んで思い出してね→音感の鍛え方~メロディ編②~
ここで単音の階名ソの音を覚えようとして必死で音を聴いてみてもこれがなかなか記憶するのは難しいのです。
単音だけだとなんだか特徴がつかめなくてインプットが上手くいかないことが多いです。実際ずっしーは無理でした。
ではどうするか。
ここでフレーズを使います。例えば一番わかりやすいのはすぐ主音のドに移っちゃうフレーズ。「ソ~ド(↑)~♪」という2音で構成されたフレーズを考えます。
さらに言うとすでに知ってる曲のフレーズと関連付けるとめちゃくちゃ覚えやすいです。
「ソ~ド(↑)~♪」は例えば
大きな古時計の出だしの「お~お~きなのっぽの・・・」とか
蛍の光の出だしの「ほ~た~るの~」とか
いろいろありますね。
↓
ソから始まるフレーズ、蛍の光を思い出そう!
↓
「ほ~た~るの~」、ほ~の音がソだな!
こんな流れでやると自然とソの音が思い浮かびます。
では実際にみなさんも今やってみましょう。次の音源を聴いてまず頭の中をこの調に馴染ませましょう。さっきの音は一度忘れてください。
ではこの調のソの音を思い浮かべてみましょう。
「ほ~た~」ですよ!ほ~の音を思い浮かべてください!今聴いたやつを曲のイントロとか伴奏だと思って歌ってみるといいですよ。
じゃあ答え合わせです。これを聴いて合ってたら大成功です。
はい、無事正解だった方おめでとうございます。(オクターブの違いは無視してOKです)
と、このようにフレーズを使えばかなり簡単に単音の判別&思い出しができてしまうんですね。
勘の良い方はもうわかったかもしれませんが、こんな感じで残りの「レ」「ミ」「ファ」「ラ」「シ」で始まるフレーズも同じように持っておけばさっきの蛍の光みたいに判別できそうじゃないですか?
フレーズはほんとに何でもいいんです。自分の好きな曲で、できれば思い出しやすい部分で使われてるのがいいですね。曲の出だしで使われてるものなんかは最高に思い出しやすく最適です。
「音→階名」の方向でも今やったような流れで同じようにできます。
「音→階名」の方向ということはまず正体がわからない何かの音があって、それを聴いて階名が何なのかを当てようということですね。
まずはその音のすぐ後にドの音に向かうフレーズを思い浮かべてみます。
すると「?~ド~♪」というフレーズができるので、それがすでに覚えておいたフレーズのどれと同じなのかを探ればいいんです。
例えば「?~ド~♪」がさっきの「ほ~た~」と同じメロディだったら、ああこれは「ソ~ド~♪」だな、ってことはソだ!という流れで特定できるというわけです。
こんな感じでそれぞれの単音を判別する用の短いフレーズをあらかじめ頭に入れておくことで単音を見分ける手がかりを作ることができるのです。
2音のフレーズ
単音ができてきたら当然、次は2音のフレーズを考えますよね。
とはいっても先ほども説明した通り単音より2音のフレーズの方が簡単です。というか単音を判別するために2音のフレーズをわざわざ使ったくらいですからね。
基本的には先ほど言ったことが全てなんですが、ここでは少し全体的な話とどのくらいの量があるのかという話をしましょう。
覚えるべき2音のフレーズは全部でいくつあるのか。
厳密にいえば組み合わせは無限にあるわけですが、実際よく出てくる、使う頻度が高いものに絞ればそんなに多くはなさそうです。
2音のフレーズはまず「上がるパターン」と「下がるパターン」の二つがあります。例えばド~レ(↑)~とレ~ド(↓)~みたいなことです。
次に音程の種類ですが、いわゆる跳躍する音程というのにも限度があります。
ごくたまに1オクターブ以上飛ぶメロディもありますが、基本的にほとんどのメロディは1オクターブ以内の音程で上がり下がりしているので、まずはその範囲で考えましょう。
すると↓のように、
上に1オクターブまで、下に1オクターブまでで7×2=14種類のフレーズが考えられますよね。
で、今の場合は始まりの音がドでしたがこれが他のレ、ミ、ファ、ソ、ラ、シのパターンも同じようにあるので、
14×7=98種類。なんと考えられる2音のフレーズは100種類近くあるんです。
これを多いと思うか少ないと思うかは人によると思いますが、それなりに大変そうではありますね。
でもぶっちゃけオクターブの跳躍とか7度の跳躍(ドからシなど)ってそんなに出てこないので、最初のうちはせいぜい上下6度くらいまでを集中的にやるといいんじゃないかと思います。
計算は省きますが、6度までにすると70種類のパターンで済みます。
それでも多いよと思うかもしれませんが、まあここは頑張りましょう。小さい頃ひらがな50音を覚えたのと同じようなものです。
それに一度フレーズを覚える感覚をつかんでくれば次からはどんどん楽になるのです。
なぜかというと単純に最初より慣れてくるということと、すでに覚えたものと似たフレーズは覚えやすいからです。
最初こそストレスは大きくて大変ですができるものが増えていけばその分楽になっていきますので腐らずやっていきましょう。
で、どうやるかというのをもう一度言いますと、まずはインプットです。
覚えたいフレーズを階名で何度も歌うもよし、先ほどのように知ってる曲の出だしなどで使われている例を探して覚えるもよし。
個人的には後者がおすすめです。すでに長いこと聴いてきている曲ならすぐにインプットが完了するからです。
例えば「ソ~ミ(↑)~♪」というフレーズを覚えたいとしましょう。このフレーズは曲の出だしなんかで使われる例が多いのでやりやすいですよ。
例えば有名なショパンのノクターンop.9-2の出だしやリストの愛の夢なんかまさにそうですね。
クラシック以外なら例えば「見上げてごらん夜の星を」なんかは誰しも一度は聴いたことあるでしょう。
「み~あ~げて~♪」のところはちょうど「ソ~ミ~ミミ~♪」なのでばっちりです。
「ソ~ミ(↑)~♪」というフレーズはあの曲のあの部分のメロディを思い出せばいい、と覚えておけばそれだけでもうインプット完了なわけです。
後は「音→階名」と「階名→音」の両方向からアウトプットする練習をしていけばいいだけです。
2音のフレーズの実例曲集あります!
noteで公開中の「音感トレーニング実践講座~メロディ編⑤~」にて実際の曲中で思い出しやすい部分に使われている様々なフレーズのデータベースが見れます。ぜひご活用ください!
音感トレーニング実践講座~メロディ編~3音以上のフレーズ
2音のフレーズでも100種類近くあったということは、3音のフレーズとなるとその組み合わせは膨大になりそうだなという予感はしますよね。
先ほどと同じ1オクターブ以内の音程の上がり下がりという条件で考えるとなんとそのフレーズのパターンは1000種類を余裕で超えてきます。
さすがにそれは無理だろうということで、3音以上のフレーズにおいては全部をしらみつぶしにやっていくという考え方はやめましょう。
理由の一つは数が多すぎるからですが、機械的に割り出した上の1000種類以上の中には実はメロディとして不自然なものも多く出てくるという理由もあるのです。
よって3音以上のフレーズでは音楽的に自然でよく使われるフレーズに絞ってやっていくのが無駄がなく効率的です。
ではその「よく使われるフレーズ」とやらの見つけ方。一つの考え方としては実際の曲に使われているフレーズを利用するという手があります。
どういうことか。例えば「ミソラ~♪」というフレーズがあったとします。そこでこのフレーズの音形だけを取り出して他の音にスライドさせてみたりするわけです。
こんな風にやっていけば実際に使われているフレーズから派生させて部分的にしらみつぶしにトレーニングすることができます。
あるいは順番を変えるというやり方もいいでしょう。
例えば「ドレミ~♪」というフレーズがあったとしたら、「この3音を使う」ということだけ守って鳴らす順番を変えてみるのです。
このような考え方でやっていくと、出てくる頻度が高いものから集中的に学ぶことができるのでおすすめです。
何度も言いますがあとは同じように「音→階名」と「階名→音」の両方向からアウトプットする練習をするだけです。
これで音感の鍛え方~メロディ編~は終わりです。どうでしょうか、「大変そう」「量が多すぎ」という感想を持った人もいるかもしれませんね。
でも実は上で言ったことを全部終わらせないと聴きとれるようにならないわけではないんですよ。
しらみつぶしトレーニングなんて言いましたが、そこまで頑張らなくても気づいたら問題なく聴きとれるようになっているものです。
実際ずっしーはこのトレーニングを半分もやってない気がします。
めんどくさくなって途中でやめたりとかけっこうそんな感じでしたが、いつの間にか当たり前のようにできるようになっていました。
時間が解決するということもあります。だから始めるのはできるだけ早い方がいいですが、途中で一時的にやめちゃったりするのは実はそんな問題ではありません。
気が向いたらまた始めればいいし他のトレーニングがやりたければそっちに集中するもよし。
そんなこんなでゆっくりでも進んでいればいつの間にか成長している、そんなものです。
ここまでに紹介してきた耳コピアレンジに必要不可欠な相対音感、調性の音感、移動ド唱法やインプット・アウトプットのトレーニングを実践的な例題を交えて取り組みたいという方向けに「音感トレーニング実践講座」というものを用意しています。ご興味のある方はぜひご活用ください!
音感トレーニング実践講座~メロディ編~
いつも楽しく見てます。
実際に独学でピアノを習得された方の経験に基づいた方法論を教えていただけるのは本当に貴重ですね。
わかりやすいキャッチーな解説に脱帽です。
今後も楽しみにしてます!
はじめまして。
いつも記事を参考にさせていただいています。
ずっしーさんのこのサイトで解説されている音感トレーニングで身につけられる音感は、階名を判断できる能力であって音名を判断できるものではないのですよね?調までコピーするときは「音感の鍛え方~音階編つづき~」で解説されているドの位置を探して調を特定する方法を使うなどしてコピーする必要があるということでしょうか?
はい、そういうことになります。ちなみにもし耳だけで調をコピーしたいと思った場合ですが、何調かを判別するためには必ず何かしらの音の高さを特定しなくてはならないのでそこからは「絶対音感」が必要になります。僕は残念ながらできないので想像ですが、ある程度でも絶対音感を持っている人なら訓練次第で可能かもしれません。
ご丁寧な返答ありがとうございます。
早速このサイトの音感トレーニングにチャレンジさせていただきたいと思います。
記事の更新楽しみにしています。
非常に参考になるブログでこれからの記事も楽しみです。
安定思い出し曲リストのも楽しみなところなのですが、そこまで待ち遠しいので自分でと探したところ、各歌い出しがその音階となっているドレミの歌をガイドにするのはどうでしょうか?
これであれば皆知っており、音と音階が一致もしているのですぐに使えると思うのですが?
極論かも知れませんが、ハ長調が分かってて、ある調の主音が与えられた時にその調が歌えたらOKってことですか?(分かりづらくてすみません)
相対音感を身につけたいという思いでネットを検索していたところこのページに辿り着きました。
情報に信用力があって私もやってみようとピーンときました。
音階編しかまだしっかり読んでないのですが疑問に思うことがあったので書かせていただきます。
移動ド唱法でメロディと階名を結び付けて歌うとありました。
例えば、蛍の光をハ長調で歌った時とヘ長調歌った時ではソードー♪の鳴ってる音は違います。調を固定してるからソがわかるのですが、この時疑問が湧きました。12の調すべてで歌えなくてもソがわかるのかということです。
ここに書かれてることはなんとなくはわかっていますし、やってみようとも思うのですがなんとなくでしかわからないのです。その理由を言語化できないといえばいいでしょうか。うまく表現できてるか疑問ですがご返答くださると助かります。
まずは音感トレーニングをやってみようと思っていただけたこと、大変うれしく思います。
「12の調すべてで歌えなくてもソがわかるのか」という質問に対する答えですが、結論から言うとYESです。
“12種類の調”と言いますがそもそも調の種類は12種類ではなく無限にあります。現代ではたまたま「ピアノの中央のAの音を440Hzにしそこを基準に平均律で音を分割する」という方法が広く用いられているためいわゆる12種類のキーのみがあるように見えるだけなのです。実際、定められた12種類のものから微妙にずれたキーで作られた曲はポップスでもけっこうあります。
調(キー)とはそもそもどこに存在するものでしょうか?答えは「私たちの頭の中」です。自然には存在しません。自然にあるのは無味乾燥な音の集合だけです。そこに“音楽”を感じたり“調という機能的な構造”を見出すのは人間なのです。人間が、私たちの脳が音の集合を認識したとき初めて生まれるのが調なのです。
逆に言えば、私たちが音を聴いて音楽(調性音楽)を感じたときには必ず頭の中で何らかの高さを基準にした調が生まれているわけです。よって結果的にどんな高さが基準だったとしても、頭の中で調が感じられているならば、それに付随した音階(例えばソなど)を認識判別することは可能というわけです。
ご質問の意図に寄り添えたかどうかわかりませんが、参考になれば幸いです。ぜひ移動ド唱法にトライしてみてください。
自然と調を感じることができれば音階もわかるということですね。ためになるお話ありがとうございます。
ご返答ありがとうございました。
暗譜しないで音階がわかるの?と子供の頃からの経験で思ってましたが、文中の音聞いて、「ほーたー」したら、あら不思議、ドの音があたってて「なんじゃ、こりゃ」ってなりました。確かに、何も聞かずに「ほーたー」した時に比べて、聞いた後に「ほーたー」した時は音が高くて歌いにくいと思ったので、めちゃくちゃ納得です。
はじめまして!
ずっしーさんの解説とても参考になります!
というのも、私は今までクラシックの中で生きてきましたが全く絶対音感が無いのです。
理由としてはピアノを始めたのが遅いことと、移調楽器をやっていたことかなと思います。
曲を聴くと全て移動ドで聴こえます。
固定ドの環境(クラシック)で育ったので今までとてつもなくツラかったです。周りは絶対音感を当たり前のように使いこなしているので。
聴音の授業では何度も涙を流しました。笑
耳コピは側にピアノがあれば何でも出来るレベルです。
しかし、完全には移動ドを身につけられていません。今までは完全に移動ドになってしまうことに抵抗がありましたが(固定ドが諦めきれず)、これから訓練して頭を切り替えていきたいなと思います。
質問ですが、曲の途中で転調が何度もある場合も、ずっしーさんはすぐにその調の移動ドで分かりますか?