耳コピやアレンジができるようになるまで

普段ずっしーを見て下さっている皆さんが気になっていることはきっと「どうしたらコードを自在に操れるのか」とか「どうやって音楽理論を学んだのか」とかそういうことだと思います。というか気になってくれていると非常に嬉しいのですけれども・・・

メロディにコードをサッとつけて弾けるようになりたい!コードを自由に変えてアレンジしたい!という人は多いと思います。問題はどうすればいいかがわかりづらいってことですよね。というわけでここでは僕がかつて失敗した体験談を踏まえつつ、耳コピアレンジを習得する上で重要なポイントを書いていきたいと思います。


ずっしーの失敗

ずっしーのピアノ歴」でも書きましたが僕は最初にコード理論やアレンジの方法を習得しようとしたとき一度まんまと挫折しました。きっと多くの人が同じような経験をしてしまうのではないでしょうか。

音楽理論書の罠

コードやアレンジを習得しようとすれば最初にコード理論の本を手に取ろうとするのは普通のことです。僕も当然同じようにそうしました。

ですが結果コードを扱えるようには、自在にアレンジができるようにはならなかったのです。書いてあること自体わかるはわかるのですが「結局どう使うんだ?」となり実用に結びつかないという・・・自分の中で役に立たない知識になってしまっていたのです。

それもそのはず「コード全般この一冊で大体全部書いてありますよ!」という類の理論本はどこまでもすでにわかっている人目線で書かれたものなんです。すでに膨大な経験を積んできた人がそれぞれの要点だけをまとめたものってことです。それを初心者が読んだだけでその膨大な経験をとらえられるわけがないんです。何かを習得するには具体例をひとつひとつ噛みしめて進んでいくのが正しい道です。これは間違いなく言えますがこの手の本は初心者が最初に手に取るべき本ではないです。

理論の前に必要なこと

挫折のあと、しばらくの時を経て僕は耳コピアレンジスキル習得へ違う切り口から攻めることになりました。何かというと「聞いた曲を即座に耳コピして即興でアレンジしながら弾ける人になろう」と思ったのです。インターネット上にそういうことができるすごい人たちがいて、こういうのを目指そうと思ったわけです。

(挫折したくせになぜ更に高いハードルを越えようとするのか、血迷っているのか?ときっと皆さん思われることでしょうが、憧れてしまったので仕方ありません)

ですがこれが期せずして全てを解決することになりました。耳コピ、コードのアレンジ、作編曲のスキル、即興演奏のスキル、バラバラに見えていたこれらの糸口が芋づる式に自然と見えてくるようになったのです。


最初何もできないなりにまず僕が考えたのはこの「耳コピ即興アレンジ演奏能力」をいくつかのスキルに分解して考えようということでした。例えば、お題となる何かの曲を前にしたとき

  • メロディとコードを聞き取る
  • それを鍵盤上のどこをどう弾けばいいか考える
  • 実際に手を動かして演奏する

この三段階を経て耳コピ即興アレンジ演奏をしているのではないかと思ったのです。

さらにこの三つをそれぞれ可能にするにはどんなことができなければならないかを考えました。

★メロディとコードを聞き取る

その当時僕は曲を聴いただけでは何も具体的なものは聞き取れませんでした。メロディとコードを聞き取るにはきっと世に言う「音感」というやつが必要なんだろうな・・・とまずは考えました。

★鍵盤上のどこを弾けばいいか考える

晴れてメロディとコードを聞き取れたとして、それだけではまだ足りないですよね。メロディに和音を付けて、その曲に合った伴奏法を使って、あと左手と右手の分担は?音はどうやって配置するんだろう、リズムやタイミングも考えなきゃ・・・こういったことがわかるためには「音楽理論」や「知識」が必要そうですよね。さらに知識が深まればコードを変えたりと原曲を超えた自分なりのアレンジを加えたりもできそうです。

★実際に手を動かして演奏する

最後はあまり考えるところじゃないかもしれないですね、あとは弾くだけです。とは言っても即座に演奏するには使うその奏法に慣れていなければならないし、運指のパターンなども把握していないといけませんね。ここの「演奏技術」はそれまで弾いてきた曲の経験がものを言いそうです。

このように、神業にも見える耳コピ即興アレンジ演奏とは何をどのようにして行われているのかを分解してみました。

あ、今「こんなのできるわけない無理だろ」って思った人いるんじゃないでしょうか。大丈夫です、だって現に出来ている人がいるんですから!彼らだって所詮は同じ人間のはずです。

皆さん、最初は字も読み書きできないし箸も使えなかったのに今では当たり前にやっていますよね?冷静に考えれば十分神業をやってのけているんです。最初はできなかったことが何度もやって慣れると何も考えずにできるようになる、これは誰しもに備わっている力です。音楽もそうやってひとつひとつこなしていって無意識にできるレベルにしていけばいいんです。実現不可能なことではない、と僕はそのときから思っていました。

何はともあれ、その時点で一つも満足にできない状態だった僕はひとまず音感から鍛えていこうと考えたわけです。

そしてこの音感こそが耳コピやアレンジなど様々な音楽的スキルの入り口であり土台であって、逆に言えば音感がなかったことが最初に挫折してしまった原因でもあったのです。

現在つまずいている方々の多くはおそらく、同じように音感がボトルネックとなっている可能性が高いです。

なぜ音感が必要なのか

音楽の様々なスキルを身につけるのになぜ音感がなくてはならないものなのか。それは音感が音楽を理解するための「言葉」のようなものだからです。

音感は全ての基礎

先ほど「何かを学ぶときには具体例をひとつひとつ噛みしめていけばいい」と言いました。確かにそうすればいいのですが、音楽においてはその具体例をひとつひとつ噛みしめることは音感がないとできないことなのです。

例えばある曲を分析して「なるほどここはこういうコードでメロディはこうなっているんだな」とわかったとしましょう。しかし音感がない状態だときっとこれを身につけて自分のものにすることができません。なぜならその音を感覚として覚えることができないから。例えばソドレミというメロディ、C – Amというコード進行を見てもその音を、流れを、その雰囲気を頭の中で思い浮かべることができないから。挫折したときの僕はまさにこのような状態でした。

もしここで音感が備わっていたらどうなるでしょうか。ソドレミというメロディと言われれば頭の中で鳴らすことができます(もちろん口に出して歌うこともできます)。C – Amというコード進行を見ればその和音の響き、進行する感覚を頭の中で明確にイメージできます。これができるということは様々なメロディやコード進行を「こういう音」「こういう雰囲気」と自分の中で定着させ、引き出しの中に収めることができるということです。

私たち人間は何かを考えたり意味を理解するためには「言葉」という道具が必要不可欠です。同じように音楽を、聴くだけでなく理解するためには「音感」がなくてはならないものなのです。つまるところ、音感は音楽を作ったりアレンジできるようになるための全ての基礎ということです。

他のスキルも自然と身につく

音感を鍛え始めて少しずつわかるようになってくると、それまでとは明らかに違う風景が見えてきました。以前は何のイメージもとらえられず無味乾燥に見えていた音楽理論も、俄然その意味合いを感じられるようになり理論を感覚として落とし込めるようになりました

耳コピ能力はもちろん、ひとつひとつ定着させた引き出しを使って曲のコードを変えるなどのアレンジも次第にできるようになりました。また自分が持つ引き出しの範囲で、自分が可能な演奏技術の範囲で簡単な即興演奏もできるようになっていきました。

音感というストッパーがなくなると他のスキルも特に苦労なく自然と習得できるようになったのです。「ああ、音感さえあれば音楽は普通にやれば普通に出来るようになるものなんだな・・・」とあとからしみじみ思いました。


というわけで、アレンジもコードも理論も即興もこういう音楽スキルを身につけたいなら音感を鍛えることから始めましょう。僕の知る限りそういったことができる人たちは全員音感があります。というより音感なしに音楽を自在に操ることはできないと思っています。言葉なしに何かを考えたり意味を読み取ることはできないのと同じように。

音感を習得すると他のスキルも身につけられる、という風に書きましたがもっと言えば音感と他のスキルは表裏一体という感覚に近いです。ずっしーは音感を身につけることそのものがもう音楽理論を習得することであるとさえ思っています。

さて長くなりましたが次回は「音感の種類」や肝心の「音感の鍛え方」について書いていこうと思います。巷ではやれ絶対音感がどうとかいや相対音感がなんだとかまことしやかに語られていますが、その辺りについてもずっしーの考えをまとめていけたらと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です